国家と教養
今回は「国家と教養」です
大学生の時に読んだ「国家の品格」が衝撃的であり、感銘を受けました。本作はその作者でる藤原正彦先生の最新作です。
最近、「教養としての…」などのタイトルで教養をテーマにしている本を多く見かけますが、教養とは?との問いに答える事ができる人は多くはないのではないでしょうか。
自分も教養とは、歴史、哲学など豊富な知識を身につけることかな、程度の認識でした。
本書では第1章から第4章まで欧州で教養が産まれ、どう育ってきたかの歴史的背景を紐解きます。また、ドイツ・フランス・イギリスなど各国における教養の背景の違い、またそれがどう政治(特に近代世界史)にどう影響を与えてきたのかを解説します。
なかなか日本の話が出てきません。
ようやく第5章から日本の教養についてのお話が始まります。
明治時代〜現代まで日本人の教養はどのように変遷してきたのかを概説しています。
第6章ではこの変わりゆく時代に我々はどのような教養を身につける必要があるのかが述べられています。教養の4本柱は社会教養・科学教養・人文教養、これに加えて大衆ん文化教養であり、これらの習得のためには読書は必要不可欠。確かにその通りだな、と納得です。自分は父親が読書家であり、おそらくその影響で本を読む事が幼い頃から習慣化されていました(だからと言って自分に教養があるかと言われると…ですが)
普段、特に感謝を表明することはなかなかないですが、この点は本当に感謝です。
筆者の主観も多分に盛り込まれているとは思いますが、自分にとっては非常に勉強になりました。医学部でも1年時に一般教養と呼ばれる科目がありました。なぜ医学部に入って訳のわからない言語やその他の科目を学ばなければならないのか、医学を学びにきたのに!と思い試験は過去問を丸暗記で何の面白みもありませんでした。今思えばエリートであるはずの医師が教養を身につけるのは必須であるような気もしますが、むしろこれは高校生の段階で学ぶべきことなのかもしれませんね。